痛みのミカタ講座の全体像

みのミカタとは「痛みの本質を探究する実践哲学である」

痛みのミカタ定義

我々治療家にとって患者が訴える「痛み」はごくありふれた症状の1つと考えられますが、ではいったい、「痛み」とは何でしょうか?

概念

痛みのミカタベーシック講座からーhide

痛みの側面においては、例えば「解剖学」や「生理学」「神経学」は学校でも教わりましたが、痛みの本質を理解するためにはこれだけでは足りません。

痛みとは『痛い!!』という【痛覚】だけではなく、「不安」「恐怖」「不快感」など【苦痛】も伴うこともあります。これらは感情的な痛みとも言えますので「心理学」の知識もでしょう。

さらに痛みは脳内で感じますので、脳内の状態を知ることも必要です。近年はf-MRIという機械で痛みを感じている時の脳の活性を視覚化できるようになりました。

f-MRI

さらに「ソーシャルペイン」という言葉があるように、痛みは社会的・文化的な背景からも影響を受けます。そして、「哲学」・「人間学」「自分とは何か?」など。人体は小宇宙と称されるように複雑です。

そして、「スピリチュアルペイン」魂の痛みとも訳されますが、これまで挙げた肉体的な痛み、精神的な痛み、社会的な痛みに加えて、「生死観」に関する苦悩や苦痛もまた痛みの側面であるということです。

最終的には、痛みの対極にあたる「幸せ」について考えます。なぜならば、臨床では患者さんにとっての「幸せとは?」「生き方」「生きがい」「あり方」が好転のきっかけになることがあるからです。

これら一つ一つの専門分野と痛みとを関連付けて、深めていく事、探求していく事が「痛みのミカタ」であります。

痛みの文化史
痛みは特定の時間・空間・文化・個々人の心理によって再形成される-デイヴィド・R・モリス

画像の説明

「痛みメガネ」が慢性痛を増やしている!?

痛みメガネ

臨床において我々治療家は必ず「痛みメガネ」をかけて患者の痛みを見ています。そしてこの痛みメガネによって痛みの「評価」が変わり、評価に基づいて「アプローチ」を行うことになるので、痛みメガネが異なればアプローチも変わってしまいます。

形外科医がかけている「痛みメガネ」

整形

「理学療法ハンドブック」

整形外科ではどういう痛みのミカタ・捉え方をしているかと言いますと、痛い時に病院に行くと、たいていは「とりあえずレントゲンなどの画像写真を撮ってみましょう」と言われるはずです。なぜなら病院の先生は画像写真の中から痛みの原因を探すからです。

レントゲン

骨折や悪性腫瘍など原因のはっきりしている腰痛を「特異的腰痛」と言います。逆に画像には構造的異常が見つからない腰痛を「非特異的腰痛」と言います。

その割合が15%が原因がはっきりしている特異的腰痛で、残りの85%が原因がはっきりしない非特異的腰痛と言われています。病院の先生方の痛みメガネでは腰痛の大部分は原因が分からない非特異的腰痛ということになります。さらに15%の原因とされる腰痛に分類されている「ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」による神経圧迫による痛みに関しても近年の痛み研究により、今までとは違った見解になってきました。

ヘルニア

ルニア=痛みではありません!!

腰に激痛がある時にMRIを撮って、ヘルニアが飛び出て神経の通り道を圧迫している写真をみれば、見るからに痛そうで誰でも不安になるかと思います。しかしこのヘルニア、実は痛みとは関係ないという研究があります。

腰痛患者46名と全く腰痛がないボランティア46名を画像診断したところ、腰痛がない人の4人に3人、76%の方にヘルニアが見つかりました。つまり、ヘルニアがあっても痛くないということなんですね。

病院での「痛みメガネ」では構造的な異常であるヘルニアが痛みの原因と捉えて、それに対して痛みの評価をして、保存療法なり手術なりアプローチしていくわけです。かたや異なった痛みのミカタとしてはヘルニアを痛みの原因とは考えないミカタもあります。病院とは違った痛みメガネでは、ヘルニアを痛みの原因とは考えないので、ヘルニアに対する評価・アプローチはしないということになります。(レッドフラッグを除いて)

これはごく一部のわかりやすい例でしたが、痛みのメガネ(ミカタ)が違うだけで評価・アプローチが異なるということです。

違い

みを理解するための3つの段階

痛みのミカタベーシック講座では痛みを多面的に考察するために「認知」「評価」「アプローチ」という3つの段階で痛みについて探求していきます。

3つの段階


痛みのミカタ講座第1回目「認知」

痛みのミカタ講座第2回目「評価」

痛みのミカタ講座第3回目「アプローチ」


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