Nociplastic Pain(侵害可塑性疼痛)という新しい痛みの分類

こんにちは!!痛みのミカタ講師たまだです。今日のテーマは「Nociplastic Pain」についてです。

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2017年に国際疼痛学会により「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」以外の痛み、第3の痛みの分類として【Nociplastic Pain(侵害可塑性疼痛)】が定義されました。

IASP Council Adopts Task Force Recommendation for Third Mechanistic Descriptor of Pain

Nociplastic Pain??

聞いたことがない先生方も多いのではないでしょうか?
我々が学生だった10数年前にはNociplastic Painなどなく、痛みの発生機序による痛みの分類は「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」「心因性疼痛」の3つでした。もしくは「Mixed Pain(混合性疼痛)」と呼ばれていました。

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しかし近年では「心因性疼痛」という言葉はあまり使われなくなってきたようです。

2018年には日本でも「慢性疼痛治療ガイドライン」のなかで心因性疼痛ではなく「心理・社会的疼痛」という分類になりました。

では国際疼痛学会により定義された第3の痛み「Nociplastic Pain」とはいったいどんな痛みなのでしょうか?

Nociplastic とは訳すと侵害+可塑性になるので「侵害可塑性疼痛」という意味になるかと思います。

「脳・神経系のネットワークの可塑性によって生じる可能性がある痛み」と言えるでしょう。

いわゆる、このような痛みは、【脳の認知の異常】によって生じる痛みであり、痛みの原因は心因性ではなく、脳の認知機能にあると考えられています。

では臨床で遭遇するNociplastic Painとはどんな痛みなのでしょうか?

痛みのミカタ講座でお伝えしている痛みの分類での「心理・社会的疼痛」「中枢機能障害性疼痛」にあたるのではないでしょうか。

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「苦痛」「筋肉-神経-脳」「イエローフラッグス」「脳内活動パターン」「ドーパミンオピオイドシステム」「下行性疼痛抑制系」など痛みをみるうえで、これらの理解が必要となります。

2月24日(月祝)に行う【痛みのミカタフェス】では痛みを1つの側面だけでなく、さまざまな側面から痛みの現場を推論できるように「痛みの認知・評価」についてお話致します。

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